かたぎさんの茶園がどのようなところにあるか、見てください。
朝宮茶の里は大津と信楽の境の標高400mの山の中にあります。
今から約1200年前、805年(延暦24年)に僧・最澄が留学先の中国より茶の種子を持ち帰り、中国に似た環境にあるということでこの地に植えたことに発する日本最古のお茶の生産地であります。
信楽盆地の朝宮は昼夜の温度差があり、日照時間も長くなく、柔らかで薄い茶葉ができます。
柔らかく蒸すことでお茶本来の香、旨みを味わうことができます。そして、2煎でも3煎でも4煎でも楽しむことができます。
水色は古代色の山吹色です。
宇治茶も本物の宇治茶は山吹色だそうです。
朝宮茶は一般消費者には全くといっていいほど知られていませんが、日本で一番高く取引される高級茶で、お茶業界では知らないところはないくらいだそうです。が、ほとんど宇治へ送られ他産とブレンドされ宇治茶になってしまうそうです。
そんなことではせっかくの朝宮茶がもったいないということで直販を始めた片木明さんは、そのころはまだ、農薬も化学肥料も使って栽培をしていました。
しかし、消費者の顔がみえる販売をしているうちに、農薬や化学肥料をたっぷりつかったお茶を飲んでもらうことに疑問をもつようになります。
お茶は収穫してから急須に入れるまで一度も洗いません。お湯を注いで飲んでいただく、つまり農薬がついたままのお茶を直接飲むことになります。その怖さに気付いたのが昭和50年ころでした。農薬散布後の体調の不良も感じていました。
それから周囲の反対を押して無農薬栽培を始めました。各地で無農薬栽培をしている人を探し訪ねますが、自家用分を少し作っている人はいても経営として無農薬栽培している人はいませんでした。
人に売るものは農薬・化学肥料をたぷり使っても自家用は無農薬でというのは根性が違うといいます。それではお手本にはなりません。
先達がいない中、先駆者として無農薬栽培を始めます。1、2年、「なんや虫を飼ってるのか」といわれながらそれでも止めようと思わなかったそうです。
3年目、今年もだめだろうと思っていた処、4月に新芽が出てきて5月には害虫の大量発生を見ずに新茶ができたそうです。
1滴の農薬も散布しなかったおかげで、蜘蛛・かまきり・テントウムシなどがもどりました。
年々収穫量の増え、土壌も豊かになりました。
他の生産者へ無農薬栽培技術の指導普及にも力を注いできました。
大きい虫は大きな蜘蛛が小さな虫は細かい網を張る小さい蜘蛛が捕食します。
朝の茶畑では無数の蜘蛛の巣が茶を覆うように張られて朝露に光っててみえるそうです。
茶の木の奥をみると、白くなったところがあります。クワシロカイガラムシの発生したところです。が、
写真では見えるように写せなかったのですが、冬虫夏草のように寄生する小さい茶色の虫が付いています。
害虫が発生しても天敵が被害を抑えるのです。
現在も片木明さんは現役でお仕事をなさっていますが、後継者がいらっしゃいます。7代目片木隆友さんです。
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