ナビの示す地図で高速を走っておりましたところ、吹田慈姑の生産者である野路さんから電話が入りました。
「茨木千提寺インターで降りるといいです!」丁度分岐で分かれる一歩、本当に寸前の時でした。
セーフ!でした。
うむ農園さんもそうでしたが、見知らぬ山里で目的地にたどり着くのは夫婦喧嘩しながらうろうろうろうろ。携帯の有難さよ。
三島独活は促成栽培の軟白独活です。江戸時代から伝わる伝統的農法を受け継ぐ唯一の農家です。
ホルモン剤(ジベレリン)・電熱器も使わず栽培する唯一の軟白促成栽培独活です。

千提寺ファーム 中井さんはふたりのお子さんと共に家族で出迎えてくださいました。
待ち合わせ場所は丁度、独活の畑の前でした。

独活の実が熟していました。

食べてみますかと言われ摘まんでみると、少しほろ苦く甘い実でした。
独活の花を見たのも実を食べたのも初めての経験です。
4月、畑に株を植え無農薬無化学肥料栽培で独活を育て、11月これから独活小屋を建て、12月株を掘り起こします。写真の藁の辺りの大きさだそうです。

稲刈りが終わった田に独活小屋を建てます。

独活小屋の中で掘った穴にぎっしりと置いていきます。
畳2畳あたり100株、ぎっしりおくというのは理由があります。
その上に刈り取ってためておいた干し草を乗せ、独活の為に無農薬・おだかけ天日干しで育てた稲藁をのせ、干し草をのせを何層もくりかえします。その上に藁の束を乗せ、
その上に畳2畳あたり石12個(総重量30〜40kg)を置いていきます。
干し草はトラック数十台分もいるというのですから草刈りも大変な作業でしょう。ちょっと想像出来ない作業です。外来種の草が混じるとうまく醗酵しないのだそうです。
積み上げた室に湧き水を掛け、発酵を促します。
干し草と藁の発酵熱によって春が来たと感じて、自らの株の栄養分で干し草と藁を押し上げて伸びます。
株をぎゅうぎゅうに詰めて置くのは、イセイイノセイ

重みを押し上げて伸びるので独活は真っすぐ直立でなくうねっと曲がります。これが美味しさの印だそうです。重みを受けて芽を伸ばし旨くなる。人間もかな。
この発酵温度の調整が難しく、低くては独活は伸びないし、高くては腐ってしまいます。
その年の気候天候に左右されます。
短い時間にお聞きした話だけでは想像できない作業とご苦労がおありだと思いますが、
大変なことを糧にしていく、まさに独活の生き方の様だなとこれを書きながら思いました。
三島独活の季節が始まりましたらみなさんどうぞ一遍は味わってください。
下記は3月に書いたブログです。時間のある時にゆっくり読んできた抱けたら嬉しいです。
http://blog.sizenmura.jp/article/188456828.html
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