2日目、
熊本県三角で柑橘農家を営む加藤誠さん、典子さんを訪ねました。

加藤さんのみかんはとっても美味しいのですが、
見た目だけで判断する人は買いません。皮の傷が多いのです。
店外で販売していた時、通りがかりに
「よくこんなのを売るわね」といって去っていった人がいました。
ケッコウケダラケネコハイダラケ
じっと見れば、冬の暖かい陽差し色が力強く見えてることに気づくのに。
こんな美しいみかん色はない!
家は有明海。綺麗な空気を必要とする誠さんが移り住んだ家は元、海の家だった。塀の下は海。窓の下も海。
典子さん心づくしのご馳走をいただく。
きらきら光る有明海の向こうに霞む島原半島。
佐世保では、ネオニコチノイド系農薬の影響でフナムシが激減しているという情報がある。こちらでは昔と比べると少ないが、加藤家ではぞろぞろ。布団の中まで入り込んで大騒ぎすることもあるそうだ。
窓の下を流れる川に海にもどる鰻がいっぱい来たと。
農業を止める人が増えて自然がもどってきたのか。
農業を止める人が増えて自然がもどってきたのか。
みかん山へ
就農したころは、自分の体に農薬は合わないので、少し酢とか使ったがすぐやめてしまった。骨粉・大豆の搾りかすは最初は少し使った。だが、自然の山をみていると肥料は使わなくてもできると思った。剪定した枝や刈った下草をみかんの木の方へ寄せて置く。
次第に下から土に変わる。
「無肥料栽培ですね」と聞かれても「肥料になるとおもって寄せてるから、無肥料栽培ではない。と答えるそうだ。
○○農法、○○栽培という枠に囚われない。自然と向き合って得た自分流を淡々とする加藤さんを清々しく思った。
私はみかん畑は日当たりのよい斜面が適地だとばかり思っていた。
初め日当たりのいい所からてっぽう虫にやられた。防風林の近くの日陰のあるところは残った。
夏の強い日差しは木に負担。収穫する前は日に当たるのがいい
落葉樹、ねむの木を間に植えた。
周りのみかん畑はカメムシの被害が多い。
加藤さんところはいろんな虫がいて、カメムシが「あっ、やられちゃう!」と思って来ないかも。
いろいろな虫やダニやもっと小さい生物がいて鳥がいて、だから
病気も虫害も調和の中で治まっている。
熊本のこのあたりで有機みかん農家はいても、完全無農薬でみかんを作るのは加藤さんだけだという。
「殺菌剤1回位なら安全でしょう」といわれても「菌が死ぬでしょ」と答える。
普通、有機栽培でも収穫は一枚の畑をいっぺんに全部取ってしまう。作業効率。
しかし、加藤さんは一か所の畑の収穫を3〜4回かけて美味しいものから選んでする。食べる人への想いやり。
そして、いつも出荷予定にあわせて、樹成りを収穫する。
今年は甘夏を8月上旬までいただいたが、これも樹成り。
加藤さんのみかんは皮が薄くて果肉との隙間がない。
置いておくと皮がかぴかぴになって、爪が曲がりそうになる。
あの私の心を打つ美しく深い色。酸味と甘みが重なった深い味。
このみかんは酸味もちゃんとあるので、好みが分かれるかもしれない。加藤さんは、
「この味が好きだからつくっている。100人の内1人が好きといってくれればいい。」と言う。
他のみかんと全然違うのは何故?の不思議が
加藤さんを訪ねて解けたような気がする。
加藤さんを訪ねて解けたような気がする。
奥様、美味しい料理をありがとうございました!お腹ぱんぱん。
もうひとつ胃が欲しかった

いただくお便りや電話の話から想像していた通りに知的で素敵なお二人でした。
みかん、楽しみにしています。
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